介護職の給料は平均いくら?年齢・雇用形態別に調査
介護職の働き方を検討するときに気になるのが平均の給料です。
今回は、介護職の平均給料を年齢別・雇用別を含めてご紹介します。
給料を高める方法にも触れているので、あわせて参考にしてみてください。
介護職の平均給料(年収)は?
厚生労働省の「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」では、介護職の給料に関するデータが報告されています。
同資料によると、月給・常勤の介護職全般における平均給料・平均年収、賞与等は下記の通りです。
なお、介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所が対象となっています。
介護職員処遇改善加算とは、キャリアアップの仕組みや職場環境を改善した事業所に報酬を高めるためのお金を支給する制度です。
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令和3年9月 |
令和2年9月 |
差(令和3年-令和2年) |
基本給➀ |
187,180円 |
184,780円 |
2,400円 |
手当➁ |
81,110円 |
78,790円 |
2,320円 |
一時金(賞与等)➂ |
48,320円 |
45,660円 |
2,660円 |
平均給料④ ※(➀+➁) |
268,290円 |
263,570円 |
4,720円 |
平均年収 ※(④×12+➂) |
3,267,800円 |
3,208,500円 |
59,300円 |
国税庁の「民間給与実態統計調査 令和3年9月」によると、給与所得者の平均年収は433万円だったことから、介護職員の平均年収は低めだということがわかります。
参考:
令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要 p19 厚生労働省
民間給与実態統計調査 p15 令和3年9月 国税庁長官官房企画課
介護職の平均給料【年齢別】
厚生労働省の同調査結果によると、月給・常勤の介護職員における年齢別の平均給料は、下記の通りです。
なお、介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所が対象となっています。
【男性】
年齢 |
令和3年 |
令和2年 |
差(令和3年-令和2年) |
29歳以下 |
297,240円 |
284,810円 |
12,430円 |
30~39歳 |
340,130円 |
331,120円 |
9,010円 |
40~49歳 |
355,700円 |
347,970円 |
7,730円 |
50~59歳 |
332,670円 |
326,470円 |
6,200円 |
60歳以上 |
286,900円 |
281,630円 |
5,270円 |
【女性】
年齢 |
令和3年 |
令和2年 |
差(令和3年-令和2年) |
29歳以下 |
287,400円 |
274,640円 |
12,760円 |
30~39歳 |
305,860円 |
297,320円 |
8,540円 |
40~49歳 |
310,510円 |
302,590円 |
7,920円 |
50~59歳 |
315,760円 |
310,710円 |
5,050円 |
60歳以上 |
292,710円 |
290,870円 |
1,840円 |
男性は40~49歳に給料が最も高くなり、女性は50~59歳に給料が最も高くなっています。
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 p188 厚生労働省
介護職の平均給料【雇用形態別】
厚生労働省の同調査結果によると、月給・常勤の介護職員、時給・非常勤の介護職員、日給・非常勤の平均給料は、下記の通りです。
なお、介護職員処遇改善加算(I)~(V)を取得している事業所が対象となっています。
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令和3年9月 |
令和2年9月 |
差(令和3年-令和2年) |
月給・常勤 |
316,610円 |
309,230円 |
7,380円 |
時給・非常勤 |
113,490円 |
112,930円 |
560円 |
日給・非常勤 |
157,990円 |
157,520円 |
470円 |
時給・非常勤、日給・非常勤の平均給料は、月給・常勤の平均給料の半分に満たないことがわかります。
参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果 p144~146 厚生労働省
介護職の給料を上げる方法
介護職の給料は低めであることがわかりましたが、個人の努力で給料を上げることは不可能ではありません。
ここからは介護職の給料を上げる方法をご紹介します。
資格取得
介護業界ではさまざまな資格があり、資格を取得すれば資格手当が付与されるケースも珍しくありません。
たとえば、介護福祉士という資格に10,000円の資格手当を付与している求人があります。
また、介護職員初任者研修の資格を取得している方に対して、5,000円の資格手当を付与している求人もありました。
資格を取得すれば客観的に評価されやすくなり、役職が上がる可能性も出てきます。当然、役職が上がれば給料も高まりやすいです。
介護職は、資格がダイレクトに給料に反映されるお仕事です。給料を高めたいのであれば、資格の取得に積極的に挑戦してみましょう。
転職によるキャリアアップ
福祉人材センター・バンクが2021年6月に行った調査によると、介護業界における有効求人倍率(求職者に対する求人の割合)は4.59倍でした。
他業界の平均有効求人倍率1.13倍と比べて高い状態であることが報告されています。
このように介護職は売り手市場であり、求人が数多く存在するため、転職によって給料アップを目指すことも可能です。
また、一般的に40代・50代は転職が難しいといわれていますが、介護業界では話は別です。
40代・50代の方は親の介護を経験する年代でもあり、介護の経験者として活躍できるチャンスがあります。
現状の給料に不満を感じている介護職の方も、待遇を改善できる職場を探してみるとよいでしょう。
参考:【調査リリース】深刻な人手不足の介護業界、85%が人材採用状況に課題~人材紹介や求人広告だけでは人材確保が困難に(福祉人材センター・バンク)
介護職の転職活動を成功させるためのポイント
介護職において転職活動を成功させるためのポイントとして挙げられるのが転職コンサルタントに相談することです。
転職コンサルタントに相談することのメリットを詳しく解説します。
転職コンサルタントへの相談
一般的に自分で求人を探すときは、ハローワークや転職サイト、折り込みチラシなどをチェックします。ただ、膨大な数の求人から自分に適した仕事を探さなければなりません。
その点、転職コンサルタントに相談すると、自分の希望や経験を考慮した求人を探してもらえるので、求人を探す手間を省けます。
転職コンサルタントは最新の転職事情を共有してくれます。
自分の市場価値に応じた給料の相場を教えてもらえるので、給料を高めるのに適した求人を紹介してもらうことが可能です。
転職が初めての方であれば、極端に待遇が悪い求人も回避できるでしょう。
転職コンサルタントは、企業への書類提出や面接日程の調整なども担当してくれます。
転職コンサルタントによっては、内定後の年収交渉まで担当してくれるケースも珍しくありません。
給料アップの交渉に失敗したくない方にもおすすめです。
転職コンサルタントは、履歴書・職務経歴書の書き方や面接の対策も行ってくれます。
希望する仕事が見つかっても、書類選考や面接で落ちてしまう方は、相談してみるとよいでしょう。
転職コンサルタントは、企業から人材を紹介することで成功報酬をもらっています。
そのため、求職者は無料で転職コンサルタントに相談できます。
金銭面で損をすることがないので、積極的に転職コンサルタントを利用するのが得策です。
まとめ 介護職今後の給料の見通し
今回は、介護業界の給料についてご紹介しました。
ほかの業界を含めた平均給料と比べると若干低い傾向でしたが、介護人材の不足や賃金の見直しが追い風となり、給料が高まっている傾向があります。
自身のライフスタイルや希望に応じて、給料アップを実現できる職場を目指しましょう。